Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
君が幾ら憤っても公明正大の同情の外は絶対にしない」
「宜いとも、今迄は僕が悪かったんだ」
と新太郎君は何処までも折れて出た。
「いや、僕も責任がある。しかしこれからは両方で気をつけよう」
「僕さえしっかりすれば問題は起らない」
「君が然ういう気になってくれゝば有難い」
「ところで一つ君の公明正大な同情に訴えたいことがあるんだ」
「早速だね」
と寛一君は笑った。
「僕はこれから家へ帰ってマザーに悉皆謝罪する。明日から生れ更った積りで働く。君は一つ側から大いに気を利かしてくれ給え」
「何ういう具合に?」
「秀子さんが貰えるようにさ」
「その方はもう充分推薦してある」
「そこをこの上ともに頼むんだよ。悉皆後悔してあの通り生れ更ったように堅くなっているんですから調子の狂わない中に早く貰ってやっちゃ何うでしょうと君が自分で気がついたように始終急き立てるのさ」
「成程」
「僕だって無報酬じゃ然う長く続かない」
「変な後悔だね」
「いや、絶対に後悔しているんだが、僕だって聖人君子じゃない。側から何とか条件をつけてくれないと、励みがないから、改悛の実が挙げ悪い」
「条件つきの絶対ってことはないぜ」