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Japanische Klassiker mit Furigana

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えんようき

艶妖記

山本 周五郎

Lesen Sie 艶妖記 (えんようき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.761 Zeichen · 38 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで八百助も馬に積んで来た砂金の嚢を差し出し、民治の用にと申して献上した――。すべては上々の首尾で落着した、取る物は取り返し払う物は支払った。さっぱりと勘定をつけて役所を出ると、いきなり八百助にとりすがった者がある、御覧あれ、いやはやなんと、これは赫耀たるおせん殿でござる、

「わたくしみんな聞きました、父があなたを訴人したんですって、でもあなたは御無事でいらっしゃいましたわ、どんなにお案じ申したでしょう、どんなに」

「そこを放してください」

「いいえ放しません、おせんはもうお側から離れませんわ、だってわたくしあなたの妻なのですもの、どんな事があったって、決して決して、――」

ここまでかき口説いて嬢はきゃっと叫んだ、八百助の袖をつかんでいると思ったのに、彼女はいつか高札の柱にすがりついていた、八百助などはどこにも見えないのである、

「――まあ、なんて人を馬鹿にする木念仁だろう」嬢はとんと足踏みをし、眼をつり上げて罵しった、「あたしの美しさなんかてんでわからない木偶の坊だわ、ええ口惜しい」

吹矢村での所用を果たした八百助はこれより出来六を捜しに旅立つと申す。