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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうたく

荷風随筆集(下)〔全2冊〕

永井 荷風

Lesen Sie 荷風随筆集(下)〔全2冊〕 (しょうたく) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.633 Zeichen · 74 Bildschirme

Aozora Bunko

ここに至って反古の有用、間文字を羅列したる草稿の比ではない。

わたしは平生文学を志すものに向って西洋紙と万年筆とを用うること莫れと説くのは、廃物利用の法を知らしむる老婆心に他ならぬのである。

往時、劇場の作者部屋にあっては、始めて狂言作者の事務を見習わんとするものあれば、古参の作者は書抜の書き方を教ゆるに先だって、まず見習をして観世捻をよらしめた。拍子木の打方を教うるが如きはその後のことである。わたしはこれを陋習となして嘲った事もあったが、今にして思えばこれ当然の順序というべきである。観世捻をよる事を知らざれば紙を綴ずることができない。紙を綴ることを知らざれば書抜を書くも用をなさぬわけである。事をなすに当って設備の道を講ずるは毫も怪しむに当らない。或人の話に現時操觚を業となすものにして、その草稿に日本紙を用うるは生田葵山子とわたしとの二人のみだという。亡友唖々子もまたかつて万年筆を手にしたことがなかった。

千朶山房の草稿もその晩年『明星』に寄せられたものを見るに無罫の半紙に毛筆をもって楷行を交えたる書体、清勁暢達、直にその文を思わしむるものがあった。