Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「では、また、ご機嫌の好い時にうかがうわ。」

「二度といらっしゃらないでよ、何てぬけぬけした化け者でしょう。あんな女と若い時につきあったおじさまだって、おっちょこちょい極まるわ。一遍、男を振って置いて、自分で逢いたい時には化けて出るなんて、都合の好い化け者もこの世の中にはいるもんだナ、あばよ、一昨日お出でだ。」

「どうしたの、永々と話をしていて、此方にちっとも、お客さまの案内もしないじゃないか。」

「やっと帰って行ったわ、お目にかかりたいといったから、いま、お食事がはじまるんだからって、お断りしたわ、それでいいんでしょう。」

「どんな顔をしているか見たかったね、四十五年も会わない人なんだ。」

「役者みたい白い顔をしていらっしった。むかしのまんまのお顔らしいわ。手術の後では、よほど、お逢いしたいふうな話だったけれど、おじさまをたすけなかった人は、こんどは、此方で見事に手厳しく振ってやったわ。」

「あの頃のおじさんはね、とても、正気の娘さんではつきあってくれない男だったんだよ、つきあう方がどうかしている、拙い顔をしているし、生意気だし、なりふりだって破落戸みたいだし、お金はないしね、そんな奴に対手になる女なんて一人もいはしなかったんだよ。