Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

四、いくつもある橋

」

「もう飼わないね、金魚は一生、君だけにして置こう。」

「嬉しい、それ聞いてたすかった、あたい、それではればれして来たわ。何処にも、あたいのような良い金魚はいないわよ、お判りになる、おじさま。」

四、いくつもある橋

「この頃、小母さまは些っとも、お歩きにならなくなったわね。」

「立って歩くのが大儀らしい。膝ばかりで歩いている。」

「あたいね、昨夜考えてみたんだけれど、膝ぶくろを作って膝にあてたら、どうかと思うの、でないと永い間には、膝の皮が擦り剥けて了うわよ。」

「膝ぶくろを着けてもいいんだけれど、よく、ほら、街なんかに足なえの乞食がいるだろう、あの人達がね、膝の頭に袋を嵌めているのを思い出して厭なんだ。ぼろ布の厚ぽったい奴をくっ附けているのを見ると悲しくなる。」

「あたいも、そいを考えて見て、たまんなかった。歩けなくなってから何年におなりになるの。」

「そうね、十九年になるかな。」

「十九年めに小母さまのお部屋がやっと、出来たわけなのね。」

「橋の上には何時でも乞食がくそのように坐っていて、足も腰も立たないんだ。僕は毎日家で見るような光景が、橋の上にあるような気がして通りすぎるんだが、それも、田舎にある橋なぞではなくて、東京のまん中で見る橋なんだ、たとえば昔の数寄屋橋という橋はたまらなかった。