Japanische Klassiker mit Furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme
言い分が気障じゃないの、お嬢さまのおてては何ておつめたいんですと来た、あたい怖くなって、さよならと言って降りたわ。」
「さよならなんて言わなくともいいんだよ、手をにぎられたくせに。」
「それからがたいへんなことが始まったのよ。」
「どう、たいへんなことっていうのは。」
「新橋で省線に乗ったでしょう、乗るとすぐあたいの肩に手をかけて、何処に行って来たんだと、青っぽい服を着た若い男の人がいうの、あたい、こんなにちんぴらでしょう、肩にらくに手を置けるんですもの、丸ビルの歯医者さんまで行ったんだと答えたら、どちらに帰るんだといったから、大森までというと、僕も大森に行くんだから下車したら五分間つきあってくれというの、あたい、きゅうに怖くなっちゃって、その人のそばを離れて後ろ側の吊り皮にかわっちゃったの、そのとき、つい失礼しますと言っちゃった。」
「ばかだなあ、そんな時に失礼しますなんて言う奴があるかね。それからどうしたの。」
「そしたら次の駅につくと、すぐあたいのそばにまた寄って来て、たくさん乗客のいる中でも平気でいうんです。歯医者にかかっているなら度たび通わなければならないから、この次はいつ行くんだ、その日をいってくれれば、丸ビルで待ち合わそうじゃないかというんです。