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Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「痛むか、裂けたね。」

「だからおじさまの唾で、今夜継いでいただきたいわ、すじがあるから、そこにうまく唾を塗ってぺとぺとにして、継げば、わけなく継げるのよ。」

「セメダインではだめか。」

「あら、可笑しい、セメダインで継いだら、あたいのからだごと、尾も鰭も、みんなくっついてしまうじゃないの、セメダインは毒なのよ、おじさまの唾にかぎるわ。いまからだって継げるわ、お夜なべにね。お眼鏡持って来ましょうか。」

「老眼鏡でないと、こまかい尾っぽのすじは判らない。」

「はい、お眼鏡。」

「これは甚だ困難なしごとだ、ぺとついていて、まるでつまむ事は出来ないじゃないか。もっと、ひろげるんだ。」

「羞かしいわ、そこ、ひろげろなんて仰有ると、こまるわ。」

「なにが羞かしいんだ、そんな大きい年をしてさ。」

「だって、……」

「なにがだってなんだ、そんなに、すぼめていては、指先につまめないじゃないか。」

「おじさま。」

「何だ赦い顔をして。」

「そこに何かあるか、ご存じないのね。」

「何って何さ?」

「そこはね、あのね、そこはあたいだちのね。」

「きみたちの。」

「あのほら、あのところなのよ、何て判らない方なんだろう。