Japanische Klassiker mit Furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme
」
「これから帰ってお食事のしたくもしなければならないし、お洗濯の取り入れもわすれていたのよ。」
「お食事のしたくって、誰のしたくをなさるのよ、おばさまは、お一人で暮しているんでしょう。」
「ええ、わたくしの食事のことなのよ。」
「だったら、おじさまと久振りでご一緒にお食事なさるがいいわ。」
「その他にも用事があります。」
「何もご用事なんか、あるもんですか。」
「お洗濯物の取り入れがあるのよ。」
「洗濯物なんかお帰りになってからでもいいわ、さあ、這入りましょう。」
「ほんとにきょうはだめなのよ、急ぐ用事が一杯たまっているんですもの。」
「おばさまのばか。」
「何ですて。」
「ばかだわ、お会いしたくて前をぶらぶらしているくせに、いざとなると、びくびくして避けているじゃないの。そんなに厭だったら、初めっから来ない方がいいのよ。」
「まあ、酷い。」
「何時だって現われると、すぐ逃げ出してしまうくせに、何のために現われるのよ、そんなのもう古いわよ。」
「だってご門の前に、ひとりでに出て来てしまうんだもの。」
「嘘おっしゃい、自分で五時という時間まで計って来ながら、お洗濯物の取り入れも、何もないもんだ、一緒にきょうはお家にはいるんですよ、でなきゃ、手に噛みついてやるわよ。