Japanische Klassiker mit Furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme
」
「怖いわね、何とおっしゃっても、わたくし帰るわよ。」
「帰すもんですか。」
「手、痛いわ、何てちからがあるんでしょう。」
「噛みついたら、もっと痛いわよ。」
「じゃね、わたくし顔をなおします、だから、あなたの口べにと、クリイムを貸して下さらない、お池のそばでちょっと化粧を直すわ。」
「その間にずらかるお心算なんでしょう。」
「ずらかるなんて口が悪いわ、そんな人の悪い事はしません、柿の木の下でじっと俟っているわよ、白粉も持って来て頂戴。」
「ええ、だけど心配だ、おばさま、お金のはいっているハンド・バッグをお預りするわ、ずらからない証拠にね。」
「はい、ハンド・バッグ。」
「じゃ、すぐ急いで取って来るわ、ほんと何処にも行かないでね、おじさまにそう言っとくから、きょうはじめてお食事するといったわね、あたい、嬉しいわ、おじさまもきっと、ほくほくなさるわ。」
「これも、ついでに、お料理してね。」
「百合根、いただくわ、もやしは厭よ。じゃ、すぐ戻るわ。おばさま、もう、白椿が咲いているからお剪りになっていいわよ、とてもいい匂いだから、俟っている間にいでいらっしゃい。」
「ありがとう。