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Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「ええ、では五分、でも、出ていらっしゃらないでしょう、こんなわたくしにお会いになるわけがないもの。」

「いま出ていらっしゃるわ、きっと。あ、五分経っちゃった。」

「じゃ、わたくし、……」

「いいわ、お帰りになってもいいわ。その道まっすぐだとバスの停留場が見えます。あ、それからおばさまのお持ちの回数券は戦争前の藍色券なのよ、あんな物、おつかいになれないからお気をつけてね。」

「ぞんじています。」

「そお、じゃ、どうしてハンド・バッグに入っていたんです。」

「どうしてはいっていたのか、わたくしにも、よく判らないわ。でも、それはそっとして置きたかったのよ。」

「そちらは反対の道路だわよ、其処にはもう人家がない、さびれた裏通りだもの、」

「ええ、」

「あら、其処は焼跡になっていて、街灯も点いてないのよ、道順教えておあげしますから俟っていて、水溜りばかりでとても歩けはしないわ。」

「ええ。」

「俟っていて頂戴、意地悪ね、きゅうにそんな早足になっちゃって、ほら、見なさい、危いわよ、水溜りにはまっちゃったじゃないか、ちょっと立ち停ってよ、一と走りお家に行って、懐中電灯持って来ますから。