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Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

その間じゅう私はそわそわとして機嫌が好かった。聡明な作家というものはこんな駄じゃれや回顧を、何時も蹴飛ばして立派やかな材料と、つねに四つに取り組むのが本来の仕事なのである。危気のある仕事には作家は親しまないものだ。だが、不倖にも私の中にあるインチキは、遂にいかなる巧みな完成を為し遂げようとしても、それはただの魚介を仮象としてごてつくばかりの世界に、ふらふら不用意にも迷い込んでいたのである。

私は嘗て詩を書いて売り飛ばしていた男であり、いまも古い詩をたのまれると臆面もなく書いている詩人くずれの男であった。だが感心なことには数百篇をこえる小説物語の中に、嘗て詩をはさみ込んだ例は二度くらいしかない、小説の構成のうえで詩を書きいれることは、物語にたるみを生じるし、詩の印刷の頭が低いから其処にある隙間が、或る場合には小説の行列をこわして了うおそれがあるからだ。だから私はずっとそれを避けていた。数行の詩の挿入ですらそうであるのに、この物語に詩を匂わそうという意図は全然なかった。寧ろ詩の感応や漂泊があやまって現われそうであった時には、私はそれを現実に引き戻して極端に回避していたのである。