Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

ものだ、或る一人の婦人を愛するという状態の男を、外から見る時には想像の出来ないこまやかさがあって、これにはただ、そうかなあ、こういう事もあるのだという結論を出してその聖地から引き揚げる外はないのである。

「ひでえ風邪じゃねえか、それでよく春まで持ちこたえたものだ。」

小売商人の金魚屋の診察は、ただ、簡単にそういっただけであった。こんなの死んだら、また代りにどんな良いのでもいるから、お飼いになるなら電話を下されば直ぐ持って参りますと彼はいい、さかなも、こんなに裏返しになって浮いて来たら、いくらわたくしでも手の附けようもございません、こいつは三年子でよく生きた方です、素人さんがお飼いになったとしても、これ以上は持ちこたえることが容易ではないのです。病気の直接の原因はいわば睡眠不足というやつで、夜にお廊下にお入れになった事はいいとしましても、障子越しの蛍光灯が夜おそくまで水の中に差しこんで、さかなは何時もうつらうつらとしか眠れなかったのが、死因といえば死因なんでしょうね、それに胃腸の方にもしこりがあって固くなっています、こうなったらご覧のとおりに肌の色が先刻とは、ずっと朱の色を失って来ていますから、とても助かりようもございませんと言って、彼は素気なくさっさと帰って了った。