Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

たとえば一人の女に会っているあいだに、べつの一人の女が或る特異な、その人でなければ見られない魅力で迫って来るのです。だから三人ともいまは私にはなくてはならない女達であり、私という人間のうちの屑のような男が彼女らにも、なくてはならない人間になりつつあるのです。あなたは女達がお互に別に女のいることを知り合っているか、いないかを問題にしていられるが、実際は三人が三人とも私によって生きていることを知り尽しているのですが、併し、そのことでは彼女らは黙って何事の質問も嫉妬も起していません、彼女ら三人ともに私のような人間にたよらなければ、食ってゆけない不幸な経験を持っていて、金と境遇のためにくるしんだ人達なんです、私はそのため祖先の土地を売って彼女らの生活費に当てているものですが、彼女らが私からはなれてゆく時があっても、それはその時のことです。私は自分のことを人間の屑だと申しましたが、どちらにしても金は私の一生のうちになくなって了う訳ですから、人間の屑がおなじ人間の屑である彼女らをしやわせにしてやれば、仕事としては人間の屑にも屑らしい義務があるようなものですと、その人は彼に少しも恥じないふうで話していた。