Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

たいがいの人間はそうしているんだよ。」

「おじさまは? おじさまだってまだお臀が見たいんでしょう。」

「そりゃ見たいさ。併し問題が夕栄えの景色から外したお臀のことになると、だんだん声が低くなるし大ぴらには言えなくなるね、おじさんの僅かばかり受けた教育がそうさせてくるんだね、人間に書物とか教養があたえられたことは、僕一人にとっても大へんな感謝に値するわけだね。」

「おじさまはそんなに永い間生きていらっして、何一等怖かったの、一生持てあましたことは何なの。」

「僕自身の性慾のことだね、こいつのためには実に困り抜いた、こいつの附き纏うたところでは、月も山の景色もなかったね、人間の美しさばかりが眼にはいって来て、それと自分とがつねに無関係だったことに、いよいよ美しいものと離れることが出来なかったね、やれるだけはやって見たがだめだった、何も貰えなかった、貰ったものは美しいものと無関係であったということだった、それがおじさんにたあいのない小説類を書かせたのだ、小説の中でおじさんはたくさんの愛人を持ち、たくさんの人を不倖にもしてみた。」

「おじさま、いい考えがうかんだのよ、おじさんとあたいのことをね、こい人同士にして見たらどうかしら、可笑しいかしら、誰も見ていないし誰も考えもしないことだもの。