Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

てくる、そこに目高と金魚の遠近が人類とむすびついて来る。」

「つまんない事を仰有るわね、それより、此方を向いて頂戴、ことわざに曰く作家老いて悲境に陥るということがあるが、おじさまもその部類ね、かくごはしていた、なんて仰有るけど、こうみるとすでにふつうの人の百歳の年齢に足をふみいれているわね、足はがさがさして鹿の足のごとく、お背中はやっと張っているだけね、遠い遠い百歳がもうやって来ているわね、七十歳でもう百歳の人、あるだけを書き、あるだけを叩き売った心のぼろを提げている踵のヤブれた人、そんなひとがさ、あたいのような若いのと一緒に寝るのは、百歳にして恋を得たと矜がましく仰有っても、いいくらいよ、あたいはもう金魚じゃないわね、一枚の渋紙同様のおじさまだって生きていらっしゃるんだもの、一たい何処にいのちがあるのよ、いのちの在るところを教えていただきたいわ。」

「おじさんはおじさんを考えてみても、いのちを知るのに理窟を感じてだめだが、金魚を見ていると却っていのちの状態が判る。ひねり潰せばわけもない命のあわれさを覚えるが、おじさん自身のいのちをさぐる時には、大論文を書かなければならない面倒さがある。