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Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「わかったわ、で、みんな悲観して茫然と立っているだけなのね。金魚は買えないし、見れば見るほど美しい、だから、先刻から一時間も立って眺めている、……おじさま、金魚を一尾ずつでもいいから、子供達に買ってあげてよ。」

「うむ、ほら、お金だ、きみが買ってみんなに頒けてやるがいい。」

「ありがとう。子供の顔ったら悲しそうで見ていられないわ。あら、あの金魚屋さんは、凝乎と先刻からふしぎそうにあたいの顔を見ている、……」

「どこかに見おぼえがあるらしいんだな。」

「あたいも彼の顔だけはわすれることが出来ないわ。毎日彼の顔ばかり見ていて、そだって来たんだもん、いまあたい、おじさまの頬っぺを引っぱたいても、慍らないでよ。」

「どうしてそんな事をする。」

「あたいがえらくなった証拠を、金魚屋さんの眼に見せてやるのよ、きっと驚くでしょう。」

「じゃ、引っぱたいてもいいよ。」

「ごめんよ、びっしりとゆくわよ、痛くないこと、」

「ちっとも、」

「金魚屋さんたら惘れちゃって、此方をきょとんとした眼で見て、口を開けたまんま言葉も出ないふうね。」

「他の者には女に見え、金魚屋には金魚に見えるきみが不思議なんだろう。