Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

そしたらあたいの顔をまたじっと見直して、あたいのことがみんな解っているふうだったわ、どうかすると、おじさま、あの方、あたいがおじさまのどういう者だかも、ちゃんと解っているらしかったわ。」

「それは解るまい、いや、解っているかも知れないが、確かに田村ゆり子といったね、どう考えても、そんな女がいまごろ現われるなんてことは、ありえないことだ、本当のことを言おうか、その田村ゆり子という女は、とうに死んでいる女だ、死んでいる人間があらわれることは絶対にない。」

「まあ、死んでいる方なの。」

「その名前の人なら死んでいる、きみの話した人はその人ではないんだ、怖いか、」

「怖い。」

「思い当ることが何かあるの、こまかく言ってごらん。」

「たとえば余りにお綺麗で、何も彼も知っていらっしって、空とぼけていらっしゃるふうだったわ、あたい、しじゅう、ぞくぞく嬉しいような悲しいみたいな、それで気味が悪いような時々いやあな気がしていたわ、死んでいる人だといえばそんな気もしないではないのですが、不思議なことがあったわ、」

「どんなことなのだ。」

「あたい、気のせいか、おばさまの手をにぎって見たくて、きゅっと、握っちゃったの、あら、いつの間にかあたい、その方をおばさまと呼ぶようになっちゃったの、わずかの間にそういうふうに親しくなっていたのね、その時