Japanische Klassiker mit Furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme
構わないでしょう、五時なら何時もぽかんとしていらっしゃるお時間だから。」
「お通ししてもいいよ、べつにぽかんとしている訳じゃない。」
「だって何もなさらないで、茫乎としていらっしゃるじゃないの。あたいね、昨日ふいに(海をわたる一尾の金魚)と、書いてみたのよ、とても大きい海のうえに金魚が一尾、反りかえって燃えながら渡ってゆく景色なのよ、そう考えてみたら、あたい堪らなく絵がかきたくなっちゃった、それの反歌がふいに出たわ、(山を登ってゆくあたい、)というの。」
「ふむ、(海をわたる一尾の金魚、)か、」
「聞えたのかしら、あの方、こんどは公式にわらい顔をしていらっしゃるわよ、きっと、おじさまのお名前を知っている方なのよ、だから、あんしんして笑って聞いているのよ。」
「きみの声が大きいからなんだ、海をわたる一尾の金魚と聞いただけで、ぷっと笑いたくなるじゃないか。」
「金魚はおさかなの中でも、何時も燃えているようなおさかななのよ、からだの中まで真紅なのよ。」
「何故そんなにさかなのくせに、燃えなければならないんだ。」
「燃えているから、おじさまに好かれているんじゃないの。」