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Japanische Klassiker mit Furigana

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きく

親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選

山川 方夫

Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

それで、私はそれを片端から切り落して、男たちから貰ってしまうことにしたのさ。……でもね、今になると、だまされないということはつまらないもんだ。つらくて、退屈なものさ。そして、これも記念だ。……私はこれを見て、これにだまされていたころの自分を思い出して、いまじゃ一人でたのしんでいるのさ。いまはね、これをあつめるのが私の道楽だよ。ときどきこれを眺めては、私は、私をだましているのさ」

恐怖と驚愕に腰を抜かしたまま、彼は、干からびて縮んだキノコに似たものの列の中に、一つだけ褪せたように色の淡いのをみつけた。ふと、極端に人づきあいをきらい、独身のまま死んだ色白で小肥りのボーモン、女のようにすべすべしたその肌を、彼は思い出した。

重い風の音のような理解が彼を通りすぎた。

「……私は、お金なんかいらないのさ」

色の黒い顔じゅうを皺で埋め、歯のない桃いろの唇をあけて老婆は笑いかけた。

毛穴という毛穴から汗がぶつぶつと吹き出し、しかし、サンバードは動くことができなかった。腰が抜けていたのではなかった。痺れは、もはや手脚の尖端にまで来ていた。

「安心してるんだよ。生命には別条ないんだからね」