Japanische Klassiker mit Furigana
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ひょうしゃくかんにんき
評釈勘忍記
山本 周五郎
Lesen Sie 評釈勘忍記 (ひょうしゃくかんにんき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.889 Zeichen · 36 Bildschirme
「要するに」八回めになって、いなり山の別宅まで意見拝聴に出張した千蔵は、もうこの辺で解放されたくなってこう云った、「要するに喧嘩をしたり人を殴ったりしなければいいのですね」
「それだけではない、ひとを尊敬し、ひとの意見を重んじ、寛厚に付合い、過ちを恕し、常に勘忍袋の緒を緊めて、――」
「わかりました、きっとうまくやりますから安心して下さい」
「大丈夫だということが保証できるか」
「保証かどうかわかりませんが、今日で八回もお小言を聞きながら、いちども肚を立てなかったとしてみれば――」
「申したな、よし、その言葉を忘れるなよ」
こう云って老人は止めを刺すようにぐっと睨んだ。
実を云うと千蔵はこのとき既に自分の勘忍袋を発見し、その緒をぐっと緊めることに成功していたのだ。一度は家のことで、一度は富田弥六という三十人組の小頭のことで、――家のほうは狭くて古いのが気にいらず、係りの役所へ捻込んだが、いま空家が無いので暫く辛抱して貰いたいということで我慢をした。弥六のほうはかなり危なかった。後で考えると容子を探りに来たものらしい、玄関に立って反り返ったまま「いつから出仕なさるか」