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Japanische Klassiker mit Furigana

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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme

Aozora Bunko

もう笛をふく気もしませんでした。――金色の鹿はどうしたろう! エキモスはそのことばかり考えました。

二

金色の鹿がでてこなくなってから三日目の朝、エキモスはもう何のたのしみもなく、ただいつもの仕事をして、羊のむれをつれて野原にでました。葦笛をふく気にもなれませんでした。

すると、エキモスがやってくるのをまちうけてでもいたかのように、多くの鹿が森からかけだしてきました。そのうちの一つが、エキモスの上衣のはしをくわえて、しきりに森の方へひっぱります。

何か用があるんだな、とエキモスは思いました。といっしょに、金色の鹿のことが胸にうかびました。もうじっとはしていられません。羊のむれをそこにのこして、鹿につれられて森のなかにはいっていきました。

森のおくふかくなると、人のとおった道もありません。それに、崖があったり坂があったりします。エキモスは一生けんめいに歩きましたが、やがてつかれてきて、足がうごかなくなりました。すると、大きな角のはえた鹿が、エキモスの前にかがんで、背なかをさしだしました。エキモスはその背にのって、しっかと角にしがみつきました。