Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
眼を覚ました時は、もう日が高く昇っていて、じりじりとした暑さになっていました。彼は酔っぱらったぼんやりした頭で考えました。
「ひどい暑さだなあ。こんな中をたんぼに出るのは、とてもかなわない。よい工夫はないかな。……まてよ、せっかく村の人達が供えたごちそうや酒を、狐の奴め、食い荒らしに来ていやがった。もったいないことだ。おれがこれから一つ、番人についていてやろうかな。そして鎮守様が召し上がった後を頂戴する分には、何も差し支えはなかろう。うむ、そうだ。……それにしても、村の人達に見つかっては、具合が悪い………」
そこで彼は、方々探し廻って、結局社殿の床の下を隠れ場所に選びました。
それから彼は、もう村の中へ戻って行きませんでした。昼間は、社殿の床の下にもぐりこみ、古むしろを敷いた上に、木の切株を枕にして、うとうと昼寝をしました。社殿の床は高くて日陰で、涼しい風が吹き込んできて、いい気持ちでした。晩になると、のっそりはい出してきて、神殿の前に供えてあるものを飲み食いしました。退屈すると、森の中や、少し遠く川の土手なんかを、ぶらぶら歩き廻りました。それから夜遅く戻ってきて、蚊にさされないよう、頭からむしろをかぶって寝ました。