Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
トニイは午後の三時頃から広場にやってきて、店をだします。マリイは日がくれてからやってきます。そして二人で仲よく、いろんな品物や花を売りました。ずいぶんよく売れました。
客のない間は、二人とも木の箱に腰かけて、トニイは本をよみ、マリイは絵本などをみ、そして時々話をしました。
マリイの父親は、支那やヨーロッパに通う貨物船の水夫でした。ところが二年ばかり前、その貨物船が行方不明になり、船といっしょに父親も行方がわからなくなりました。たぶん、船は沈み、父親は死んだものと、思われました。マリイは母親と二人で、さびしく暮していました。もとからびんぼうなのが、さらにびんぼうになりました。母親はよその家に雇われて、昼まだけ稼ぎに出ました。アパートの小さな安い部屋へと、なんども引っ越しました。そのうちに、母親は病気になりました。どうにもならなくなって、マリイは花売りになろうと決心したのでした。
「あたしどんなにでも働くわ。そしてお母さんによい薬をのましてあげたいの」とマリイはいいました。
「うむ、もすこししんぼうするんだよ」とトニイはいいました。
「今にこの店を大きくして、たくさん商売ができるようにしてあげよう」