Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
そこへ、私たちは朝おきるとすぐ、顔を洗いに行くこともありました。
ある朝、そこで顔をあらっておりますと、正夫が、あれッと叫んで、水にぬれた顔のまま、目をまんまるくうちひらいて、淵のなかを見つめました。
「なんだい」と私はたずねました。
「なまず……とても大きななまずが……金色の髭をはやして……」
のぞいてみましたが、私には見えませんでした。もう岩にかくれたと正夫はいいました。けれど、たしかにいたというのです。一メートルもあろうか、びっくりするほどの大きななまずで、それが、ぴかぴか光る金色の髭をはやして、ゆったりと泳いでいたそうです。
何かの影だったんだろう、と私はかんたんにかたずけて、気にしないつもりでしたが、それでもやはり、忘れかねていたようです……。ある日、私もそのなまずをはっきり見ました。
なまずというものは、おかしな魚ですね。頭がばかに大きくて、その大きな頭いっぱいに、大きな口がついていて、こまかいきれいな歯をくいしばって力んでいて、上唇に長い二本の髭をはやし、下唇に二本の短い髭をはやし、そのくせ、ごく小さなかわいい目でいつも笑っており、頭から尾へすーっとほそくなっています。