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Japanische Klassiker mit Furigana

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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme

Aozora Bunko

不思議なことには、そんな大きな翼で飛んでるのに、少しも空を切る音がしませんでした。一瞬間のうちに、森の枝葉の茂みの上にぬけ出て、それから空高く舞い上がり、一時間に何百里という早さで、どこともなく飛んで行きました。

三

王子は一生懸命に鳥の首筋にしがみついていましたが、だいぶたって、鳥がにわかに飛ぶのをやめましたので、恐る恐る眼を開いてみますと、まあどうでしょう。そこは雲の上までそびえ立った高い山の頂で、はるか向こうの方に五色の雲がたなびいて、その中からまん円い太陽がぎらぎら出てくる所です。一面に銀の粉がまき散らされたような空と五色の雲とに、出たばかりの太陽の光がぱっと輝り映えています。あまりの美しさに、王子は我を忘れて眺め入りました。

しばらくたつと、鳥が一つ羽ばたきをしましたので、王子はまたしっかとその首筋にしがみつきました。鳥はやはり一時間に何百里という早さで、そして音も立てずに飛んでいって、今度は広い牧場の中の一本の木の上にとまりました。見渡す限りはてもない広々とした牧場で、いろんな花が一面に咲き乱れていまして、草の葉にたまった水銀の露の玉をとばしながら、雪のようにまっ白な羊の群が遊んでいます。