Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
桜の花をつけた森の精が出て来ました。
いーつつ、いつつ、
いっしょにみんな、とんで出ろ。
王子様のもてなしに、
わあそび、こそび、
くるりと廻って、くるくるり。
すると、眼の前の芝地は森の精でいっぱいになりました。みんな頭には、いろんな草や木の花を一つずつつけていました。そして手をつないで、円く輪になっておもしろい唄を歌いながら踊りました。
王子はそれを見て、夢のような心地になられました。森の精の踊りはいつまでも続きました。いくら続いても飽きないほどのおもしろい踊りでありました。
「お時間じゃ、お時間じゃ。御殿のしまるお時間じゃ」と、どこからかふいに声がしました。すると今まで踊っていた森の精達が、一度に高く飛び上がったかと思うと、地面に落ちつく時にはもう姿がなくなっていました。
王子はびっくりして、あたりを見廻されますと、千草姫はやはり微笑んだまま立っていました。そして王子に言いました。
「もう遅くなりますから、今晩はこれきりにいたしましょう。またお迎えをあげますから、その時に来て下さいませ」
王子はもっとそこにいたく思われましたが、姫からそう言われて仕方なしに帰られました。