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Japanische Klassiker mit Furigana

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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme

Aozora Bunko

かわりに、私お金あずける」

そしてもうキシさんは、片手に銀貨をいっぱい握って、それを差し出していました。

太郎は困りました。まさか手品の道具をあずかろうという人があろうとは思いませんでしたし、しかもキシさんが出てこようとは思いもかけなかったのです。けれども、キシさんなら、自分が持ってるのと同じことだし、「秘密、秘密」と言われたのは、何かわけがあるに違いありません。それで太郎は、わざと知らん顔をしていました。

「それでは、道具のかわりに、そのお金をあずかっておきます 明日、ここに来てください。そしたら、すばらしい手品をして見せましょう」

キシさんはお金を渡すと、金輪や皿やナイフや大きな毬など、手品の道具を、地面に敷いてあったむしろに包んで、それをかかえて、さっさと立ち去ってしまいました。

おおぜいの見物人も、しだいに立ち去ってしまいました。

広場のまん中で、太郎と手品使いの少年とは、ぼんやり顔を見あわせました。少年は、ただあっけにとられてるようでした。

太郎は言いました。

「きみの道具を持っていったあの人は、ぼくが一緒にいる人だよ。今はあんな汚いないなりをしていたが、偉い人なんだ。