Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
つげびと
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (つげびと) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.955 Zeichen · 71 Bildschirme
七
主人はこの話を非常な興味をもって聞いた。今後花前の上になんらかの変化をきたすこともやと思わないわけにはいかなかった。
その後自分も注意し家のものの話にも注意してみると、花前はかならず一度ぐらいずつ民子をだいてみる。民子もますます花前、花前といってへやへ遊びにゆく。花前は、ついに自分で菓子など買うてきて、民子にやるようになった。ときにはさびしい笑いようをして、タアちゃんと一言くらいよぶのであった。そう思って見ると、花前の毅然とした顔つきが、このごろは、いくらかやわらいできたようにも見える。若衆の話では、花前は近ごろ元気がおとろえたようだという。それでもその水車的運動にはまだすこしも変わるところはなかった。
それからひと月ばかり花前の新傾向はさしたる発展もなく秋もようやく涼しくなった。
七
花前の友人という人が、とつぜんたずねてきて、花前の身分がようやく明らかになった。
友人というのは、某会社の理事安藤某という名刺をだして、年ごろ四十五、六、洋服の風采堂どうとしたる紳士であった。主人は懇切に奥に招じて、花前の一身につき、問いもし語りもした。
安藤は話の口があくと、まず自分が一年まえに会ったときと、きょう会った花前はよほど変わっている。