Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

つげびと

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓 (つげびと) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.955 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

糟谷はいよいよさびしくてたまらなくなった。

自分になんらの悪気はなかったものの、妻が自分にとつぐについては自分に多大な望みを属してきたことは承知していたのだ。そうことばの穂にでたときにも、自分は調子にのって気休めをいうたこともあったのだ。

結婚当時からのことをいろいろ回想してみると、妻に対しての気のどくな心持ち、しゅうとしゅうとめに対して面目ない心持ち、いちいち自分をくるしめるのである。かれらが失望落胆すべき必然の時期はもはや目のまえに迫っていると思うと、はらわたが煮えかえってちぎれる心持ちがする。自分はなんらおかした罪はないと考えても、それがために苦痛の事実が軽くなるとは思えないのだ。

糟谷はまた自分の結婚するについてもその当時あまりに思慮のなかったことをいまさらのごとく悔いた。家とか位置とかいうことを、たがいに目安にせず、いわば人と人との結婚であったならば、自分の位置に失望的な変遷があったにしろ、ともにあいあわれんで、夫婦というものの情合いによって、失望の苦も慰むところがあるにちがいないだろうが、それがいまの自分にはほとんど望みがないばかりでなく、かえって夫婦間におこるべきいやな、いうにいわれない苦痛のために、時代に捨てらるるさびしさがいっそう苦しいのである。