Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いさん

銀座復興 他三篇

水上 滝太郎

Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

咎める人の目の前で平気で柿を叩き落してやるのが、自分達の勇気を示す事のように痛快に思われた。何のはばかりもなく、かけ声をして、柿の枝をばさばさ打った。

「こら、何をする。」

突然庫裏の方から、声を震わせて梵妻が現われた。手に鍬の柄のような堅い棒を持ち、肥った体を不恰好に波うたせ、血相かえて来た。その勢にすっかり脅えて、子供達は干潟の寄居虫のようにあわてて逃出した。

梵妻はどこまでもと追かけて行ったが、子供の方が素早くて、たちまち門の外にちりぢりに散ってしまった。

「鬼婆あ。」

「とったぞ、とったぞ、柿六つ。」

塀の外でふしをつけてはやした奴があった。

「とったぞとったぞ柿八つ。」

今度は獲物の数をふやして、二三人声を合せてからかった。その合唱をしつっこく繰返しながら、子供達は遠くへ逃げて行ってしまった。

「畜生、育ちの悪いがきったらありゃしない。」

未練らしく往来の方を振かえりふりかえり、せいせい呼吸をはずませて、梵妻は漸く戻って来た。

「まあこんなに荒して行ってさ。」

柿の木の下に立って、落散った枝や葉を忌々しそうに見ながら、ぶつぶつ云っているのが、おときにとっては自分の監督不行届を叱られているように感じられた。