Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.947 Zeichen · 114 Bildschirme
現代人の史眼には信じられぬことおびただしい。
一方、高氏の方は、その下心をすでに私は小説の中で書いてきているが、要するに、高氏義貞二人の間には、後醍醐が隠岐脱出のころ、はやくも何かの連携があったものと私は観る。ここで私は史論をのべたてるつもりはない。それを小説にするつもりなのである。
この茶話だけでもせめて固くなりたくないと思っている。とかく固くなりやすい小説である。もともと太平記なるものが平家とちがって、不風流でドライな古典人間史といっていい。そのため私は、藤夜叉、卯木、草心尼、正成の妻、高氏の妻、後醍醐をめぐる三人の妃などへも、創意をほしいままにしているが、それがまた読者のお叱りとなって刎ね返ってきたりもする。
先日もさる所で、伊藤正徳さんが「ちょっと、ちょっと」と、さも用ありげにさし招く。何かと思ってサロンの隅で耳をかすと「君……道誉が藤夜叉を犯すところネ。あれ困ったよ」「どうしてです」「だってぼくは、きみの太平記を読めッて、高校生の女の子たち三、四人にすすめてたんだな。するとこないだ、あそこのとこの新聞をもって来て、おじさん、閨技って何? ッて訊きほじるのさ。