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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ しほんたいへいき

随筆 私本太平記

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.947 Zeichen · 114 Bildschirme

Aozora Bunko

書く方もつまらないが、読者にも中途半端で、あれで要領がえられようとも思われない。

そこでいッそと、こんな試みにかえてみた。月一回を小説定休日としてしまう。そして代りに、私本太平記の篇外雑感とか、臨時の史蹟紀行、作品の補遺などにする。また、時には全篇の梗概ばなしとしてもよいが、とにかく月一回は読者と共に遊ぶ気で、勝手なことを書きたいのである。もし、おいやならやめてもよい。だが何せい長篇である。急ぐ旅ではなし、どうであろうか。

過日の早春日和に、杉本画伯を誘って、栃木県足利地方の史蹟歩きをこころみた。まっ平らな両毛平野も、この辺まで来ると、渡良瀬川をさかいに、平ノ将門以来の坂東の人煙が日光山脈に拠って散在し、赤松の小丘陵の多い起伏の変化もおもしろい。

が、南北朝時代の、ここと鎌倉、ここと京都、九州。その遥けさを考えると、馬の旅でも、千里の感がしのばれる。

まず鑁阿寺を訪ねた。足利市の街中である。濠は旧態をのこしているが、古図に見える林泉や大杉は面影もない。多宝塔そのほかの諸堂も荒れている。住職山越氏の住む階上に、国宝の宋窯花瓶やら尊氏自筆の古文書などが、からくも無事をえている有様だった。