Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
客に会釈をするとき、頭をさげないで腰をさげるくせも、笑うとみか月のように細い目になる表情もすっかりみてしまった。みていた限りでは彼はすっかり自分の商売にほれこみ、楽しみきっているようだった。彼の商売はほうきなどとちがって、手軽に買えるものばかりなのもよい。百円出して六十円の洋服ブラシを買えば、残りで一個十円のコップをもらう。コップはさっそくその日から重宝されるにちがいない。これでなくちゃあ商売になるまい。そこへゆくとコップのように割れることがないほうきなど、古いものでもまにあう。買ってくれ買ってくれとたのんでも、まにあってるといわれればそれまでではないか。
兵六さんは三河屋がうらめしくなった。心にもないほうきなどを売らしてと、思うにつけても雑貨屋がうらやましい。何とか相談にならないものかと考えているところへ、運よく雑貨屋の方から近づいてきた。雑貨屋はさもうまそうに大きく新生の煙をはいてから、兵六さんの三本のほうきの方にちらりと目をやり、
「売れましたね。」
と、あいそがよい。きょう十本持って出て七本売れたとでも思ったらしい。
「いや、だめでさあ。それよりもさっきから見ていましたがね、あんたの商売はおもしろそうですな。