Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
」
夏樹は素直に、
「こんちわ。」
ぴょこんと頭を下げはしたが、そのつづきでとび出していった。手で口を押えながら。
みんな笑いを押えているらしかった。台所でこそこそというざわめきがあるのに、なかなかお茶が出てこない。年がいもなく音枝までがと、少し腹を立てた安江は、ぽんぽん手をならし、
「音枝……音枝……」
すると夏樹がかわって、
「おねえちゃん、お茶菓子買いにいった。」
そしてくっくっと笑うのである。
「浜子さんは。」
「いる。」
「なにしてるの。」
「笑ってる。」
そしてまたくっくっと笑う。
「しようがないね、ほんとに。若い者にかかっちゃあ、兵六さん、ワヤじゃ。――浜ちゃん、いいかげんにしてお茶ちょうだい。」
しかし浜子は現れず、かわりに夏樹が茶盆をもってはいってきた。足のことはすっかり忘れはててにやにやしている。安江に盆をわたしながら、
「ね、浜子さんね、笑っておなかが痛いんだって。鷲なんてもうおかしくないってよ。今は兵六の方がおかしいんだって。」
そして自分もげらげら笑いながら、そんなことで急に親しみを感じているらしく、
「おじさん、兵六って、ほんとの名前?」