Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

ちっとも払ってくれないんですもの。」

安江はおもわずどなりつけた。

「辛気くさい娘だね。そんなこと聞きともないよ!」

それなのに音枝はまたやってくる。こんどは音枝の方が辛気くさそうな顔をして、机に向っている安江に思わずペンをおかせた。

「おかあさん、兵六おじさんち、引っこしてるってよ。」

「なんだって。」

居ずまいを直す安江に、音枝はたたみかける。

「引っこし先も、わかんないってよ。進君泣いてるのよ。」

「…………」

「かわいそうよ。うちの責任じゃないけどさ、ちょっと、なんとかいってあげてよ。」

「わたしがなんとかいったって、どうなるもんじゃないよ。」

しかしほってもおけない気になった。応接間であった進君の部屋をのぞくと、長椅子にひっくりかえっていた彼の目は赤かった。おどろいてとび起きる彼と向いあった安江は、つとめて気やすく話しかけた。

「鷲さんち、引っこしたんですって?」

「はい。」

「あんた、あんなにせきせき行っていて、全然気がつかなかったの?」

「はい。――もうあとに別の人が移ってきていました。その人が、家、買ったんだそうです。」

「あきれたわねえ。――でも、そのうち通知がきますよ。