Japanische Klassiker mit Furigana
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おんぱのさつじん
音波の殺人
野村 胡堂
Lesen Sie 音波の殺人 (おんぱのさつじん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.399 Zeichen · 30 Bildschirme
――」
「君は、私が若菜を殺したと言う積りか」
博士は立上って居りました。カッと大きい眼を見開くと引釣った凄い顔になります。
「飛んでもない、――ただ、これだけの事は言い切れると思います。奥さんとピアノを連弾して居る藤井は、ピアノの前面の黒漆塗の鏡板に映る、犯人の顔を見たのです。――窓から拳銃を撃って引っ込むところを見たのです。――でも、その藤井は、顔の持主には、相済まぬ事をして居たので、警官にも誰にも言い兼ねて居ました。が、念の為、私へだけ、そっと漏したのです」
「――――」
恐ろしい沈黙、それを載せて、大気をゆるがすように巨大な機械は唸ります。
「自分が万一疑いをかけられて、言い解く道が無くなれば、背に腹は代えられぬから、ピアノの鏡板に映った顔、あの拳銃を撃った顔は誰であったか、警官の前で言わなければなるまいと――」
「――――」
「その藤井が重大な容疑者として縛られて行きました。今頃はもう、真犯人の名を打ち明けて居るかも知れません」
「もうよい、解った、――俺はこれから警察へ行って、昨夜此窓から見た事を皆んな話そう、この窓へ鈎跡のような傷をつけたのが誰か、昨夜十一時頃、あの向うの家に攀じ登ったのは誰か、――俺は精巧な望遠鏡で、何時でもあの窓を見張って居た――」