Japanische Klassiker mit Furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lesen Sie 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.271 Zeichen · 263 Bildschirme
(四十七)
「何かお急ぎの御用ですか。」と、市郎が問うた。
「いや、急ぎと云うでも無いですが、今日は虎ヶ窟を検査に行くと、不思議なものを発見したのです。」
「ははあ、何んなものを……。」
「岩穴の壁に沢山の字が書いてあるのです。恐く字だろうと思うのですが、我々には到底読めないので……。」
「字が書いてありましたか。」と、忠一は思わず乗出した。
(四十七)
虎ヶ窟の壁に文字の跡が有るというのは、頗る興味を惹く問題であった。一座悉く耳を傾けると、塚田巡査は首を拈りながら、
「今も申す通り、我々には字だか絵だか符号だか実際判然しないのですけれども、何うも文字らしく思われるのです。勿論、刃物の尖で彫付けたもので、何十行という長いものです。あれが悉皆判れば余ほど面白かろうと思うのですが、何うでしょう、あなたには……。読んで下さることは能ますまいか。」
「さあ、読めるか何うか判らんですが、兎にかく何んなものだか、是非一度見たいもんですな。」と、忠一も非常の乗気であった。
「今日は既う遅いですから。明日御案内を為ましょう。」
「どうか願います。若し果して其れが文字であるとすれば、に対する僕の意見が愈よ確実になる訳ですから……。