Japanische Klassiker mit Furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lesen Sie 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.271 Zeichen · 263 Bildschirme
飛騨の怪談
(一)
(一)
綺堂君、足下。
聡明なる読者諸君の中にも、この物語に対して「余り嘘らしい」という批評を下す人があるかも知れぬ。否、足下自身も或は其一人であるかも知れぬ。が、果して嘘らしいか真実らしいかは、終末まで読んで見れば自然に判る。
嘘らしいような不思議の話でも、漸々に理屈を詮じ詰めて行くと、それ相当の根拠のあることを発見するものだ。
勿論、僕は足下に対して、単にこの材料の調書を提供するに過ぎない。之を小説風に潤色して、更に読者の前に提供するのは、即ち足下の役目である。宜しく頼む。
大正元年十一月XY生
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こんな手紙と原稿とを突然に投げ付けられては、私も少しく面食わざるを得ない。宜しく頼むと云われても、これは余ほどの難物である。例えば、蟹だか蛸だか鮟鱇だか正体の判らぬ魚を眼前へ突き付けて、「さあ、之を旨く食わして呉れ」と云われては、大抵の料理番も聊か逡巡ぐであろう。況んや素人の小生に於てをや。この包丁塩梅甚だ心許ない。
随って実際は真実らしい話も、私の廻らぬ筆に因って、却って嘘らしく聞えるかも知れぬが、それは最初から御詫を申して置いて、扨いよいよ本文に取かかる。