Japanische Klassiker mit Furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lesen Sie 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.271 Zeichen · 263 Bildschirme
」と、警部も少しく倦んだ形であった。
塚田巡査の紹介に因て、忠一は直ちに穴へ入ることを許された。巡査の案内に従って、松明を片手に奥深く進み入ると、此頃は昇降の便利を計る為に、横木を架した縄梯子が卸してあるので、幾十尺の穴を降るに格別の困難を感じなかった。二人は中途に突出したる岩に立って、霎時四辺を照し視た。
「この岩の上です。角川の阿父さんの屍体が横わっていたのは……。」と、巡査が指さして教えた。忠一は粛然として首肯いた。
「まあ、順々に御案内しますが、※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)の棲んでいたのは此下の穴です。」
巡査が松明を振翳す途端に、遠い足下の岩蔭に何かは知らず、金色の光を放つ物が晃乎と見えた。が、松明の火の揺くに随って、又忽ちに消えた。
「おやッ。」と、忠一も共に火を翳したが、岩に遮られて何にも見えなかった。
「何でしょう、今光ったのは……。」
「さあ。」と、巡査は考えて、「何だか知らんが時々に光るのです。けれども、光線の工合で見える時もあり、見えない時もあるのです。私も過日から不思議に思っているのですが……。」
斯う云いながら、巡査は無闇に松明を振廻すと、火の光は偶中りに岩蔭へ落ちて、燦たる金色の星の如きものが暗に浮んだ。