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Japanische Klassiker mit Furigana

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こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme

Aozora Bunko

だから、重量から考えると、無論ドナテルロ以前、さあ、マッサグリアかサンソヴィノ辺りの作品かな」

「オヤオヤ、君はいつファイロ・ヴァンスになったのだね。一口で云えるだろう――抱えて上れぬほどの重量ではないって」と検事は痛烈な皮肉を浴びせてから、「しかし、この甲冑武者が、階下にあってはならなかったのか。それとも、階上に必要だったのだろうか?」

「無論、ここに必要だったのさ。とにかく、三つの画を見給え。疫病・刑罰・解剖だろう。それに、犯人がもう一つ加えたものがある――それが、殺人なんだよ」

「冗談じゃない」検事が思わず眼を瞠ると、法水もやや亢奮を交えた声でこう云った。

「とりもなおさず、これが今度の降矢木事件の象徴という訳さ。犯人はこの大旆を掲げて、陰微のうちに殺戮を宣言している。あるいは、僕等に対する、挑戦の意志かもしれないよ。だいたい支倉君、二つの甲冑武者が、右のは右手に、左のは左手に旌旗の柄を握っているだろう。しかし、階段の裾にある時を考えると、右の方は左手に、左の方は右手に持って、構図から均斉を失わないのが定法じゃないか。そうすると、現在の形は、左右を入れ違えて置いたことになるだろう。