Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くろネクタイぐみのましゅ

黒襟飾組の魔手

山本 周五郎

Lesen Sie 黒襟飾組の魔手 (くろネクタイぐみのましゅ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.299 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

父親や伯父の子爵を前にして、龍介はこん度の事件を話していた。

「僕は喧嘩を売りかけてきた手紙を見た時に、これは僕に恨みのある奴だなと思った。恨みのある奴といえば差当りヤンセンだから、警視庁へいってきくと、十日ばかり前に脱獄したが、国事犯人だし秘密に捜索中だと云う事だった。それから桂河探偵に会うと黒い帽子を眉深にかむって色眼鏡をかけている、こいつは変装じゃないかと思ったんです。そして第一に怪しいのは此奴だと決めてしまった。それから事務所を訪ねて、調べると尚更怪しいから、妹の文子を少女給仕に変装させて入りこました。

書斎へ忍びこんで朱色の字を書くと聞いた時に、伯父さんと探偵がかならず居睡りするのはきっと麻酔剤だろうと思って調べると、窓硝子の下の方にほんの小っぽけな穴が明いていたんです。鼻をあてて匂を嗅ぐと、微かにエーテルの匂いがする。これはきっとここからエーテルを精巧な噴霧器で吹きこむんだろうと思った。そこで邸の外に張りこんでいると、中で探偵が紅茶を入れて子爵と飲む時、非常にそれが熱いので、二人が音を立てて啜る、その音にまぎれてエーテルを吹こんだことが分った。