Japanische Klassiker mit Furigana
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あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
Lesen Sie ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) von 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.905 Zeichen · 262 Bildschirme
の険だ。ぜひ一度、そこをきわめよう――と、助七に堅く同行を約したのだった。(これが後年、木暮理太郎君と共に試みた、黒部初遡行となったわけである)
温泉のせいばかりでもあるまいが、黒部谷には一帯に、蛇が多い。ことに蝮がなかなかいる。この点大井川と同じようだ。蝮は「アゾ」(石のごろごろしている所をいう)に好んですむもので、よく道ばたの石の上など、ポッカリとした日だまりに、悠然ととぐろを巻いている。赤いのと黒いのとあるが、共に亀甲崩しのむらむらの斑紋があって、物々しい様子だ。そして毒という武器をたのんでか、人を見てもなかなか逃げない。鎌首をもたげたままじっと睨むようにしている。だからわれわれには、ちょっと気づかぬことも多いのだが、助七などはそこは、さすがに炯眼である。たちまち杖の一撃で、頭を砕いて、しとめてしまう。顎の裏が急所だという。それから山刀を一閃、尾を断ち切る――ここに毒があるという。ピクピクしているやつを、両手で顎を持ってベリリ真二つに引き裂く。すると生気の強い青臭い匂いと共に、赤い血も少しまじる、透明な青味がかった体液が、ビシビシ飛び散る。