Japanische Klassiker mit Furigana
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おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
Lesen Sie おごそかな渇き (おごそかなかわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.042 Zeichen · 71 Bildschirme
らしい、――これがあなたの御意志ですかとね、それは自分の無力さや弱さや絶望を、神に転嫁しようとする、人間のこすっからい考えかただ、ロンブロゾーだっけかな、違うかもしれないが、神はみずから助くる者を助くってね、それが本当なんだ」
「自助論なんぞをもちだすようじゃあ、お互いに古い人間だってことだな、先生」
「まったくだ、この原子力時代にな」と云って医師は笑った、「酒を少しもらうとしよう」
「ゆっくり喰べなさいって」とりつ子が心配そうに云った、「少しずつ、ゆっくりって、お医者さんからよく云いつけられてるのよ」
「ありがとう」と云って松山隆二は匙を置き、右手で眼の前を払った、「ここはどこなの、お嬢さん」
「いやだわ、お嬢さんだなんて」りつ子は羞んだ、「あたしりつ子っていうの、そして、ここは山品村というところ、お父さんは竹中啓吉っていうのよ、もとは東京にいたんだけれど、五年まえにこっちへ来てしまったの」
隆二はおまじりの薄粥をそっと啜った、「お父さんはここでなにをしているの」
「いろんなこと」りつ子はませた調子で答えた、「萱を刈るとか、ええと、そだや薪束を作るとか、そして、いまは炭焼きをしているわ」