Japanische Klassiker mit Furigana
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おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
Lesen Sie おごそかな渇き (おごそかなかわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.042 Zeichen · 71 Bildschirme
と医師は云った、「そういわれているが、なぜだろう、どうせ召し返す命なら、なぜその命を与えたもうのか、きみはなぜだと思うかね、竹中くん」
「少し飲むほうがいいんじゃないかな」
「なぜだろう」と呟くように云って、村田医師は頭を垂れた、「――このゆき倒れの青年も、同じようなうわごとを云い続けたそうだ、みこころのままにってね、――巷には病毒におかされた男女や、精薄児や、ポリオにやられた児童たち、身寄りもなく住む家もなく、飢えている老人たちがうようよしている、これが神の意志だろうか」
「水を差すようだが」竹中はちょっとまをおいて、皮肉にならないように注意する口ぶりで反問した、「――先生はさっき、非行少年についての指導に規準がないこと、つまり反対な条件が幾らでもあること、それから、そういう条件がぜんぶなくなったとしたら、そこにはもう人間が存在しないんじゃあないか、というふうにおれは聞いたがね」
「わかったわかった」村田医師は自分の云ったことが恥ずかしくなったかのように、肉の殆んどない、なめし革のような頬を撫でながら遮った、「――これは誰にだって答えられることじゃあなかった、ずっと昔は、てんかんを神の恩寵による病気だとさえ信じられたことがある、そうだな、人間は自分のちからでうちかち難い問題にぶっつかると、つい神に訴えたくなる