Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おごそかなかわき

おごそかな渇き

山本 周五郎

Lesen Sie おごそかな渇き (おごそかなかわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.042 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

藁小屋をみつけたときは、もう黄昏が濃くなり、あたりは紫色の靄が漂っていた。――夕ごはんを作るわと云って、りつ子は川のほうへ出ていった。りつ子は巧みにやった、拳二つほどの大きさの石を三つ並べ、包みの中から平たい鉄の鍋を出して掛け、火を燃しつけてから、もろこしの粉を練り、鍋を油でぬぐってから、もろこしをゆっくりと鍋焼きにした。三つの石は即席の釜戸だったのである。りつ子は朴の木の葉も洗って持って来て、その上へもろこし餅をのせて彼に渡した。

「がまんしてね」と少女は云った、「おしたじがないから塩にしたの、まずいかもしれないけれどしようがないわ」

「有難う」と彼はちょっと頭をさげた、「いまは口にはいるものなら、なんでもいいよ、でも小さいのによくなんでも知ってるね」

「貧乏のおかげよ」

りつ子は米を出して、また川のほうへ出ていった。彼女はそれからめしを炊き、塩むすびを作って喰べた。

「さっきの魚を捕って来ればよかったわね」とりつ子は云った、「おかずなしじゃあつまんないわ」

「魚もだんだんいなくなるんだよ、お百姓が農薬を使うからだそうだ」

「なぜそんな薬を使うの」

「米や野菜をたくさん作りたいためだろうね」