Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
Lesen Sie おごそかな渇き (おごそかなかわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.042 Zeichen · 71 Bildschirme
「そんなにお米や野菜がなければ困るの」
「日本では人間がね、もう一億にもなるんだよ」と彼は溜息をついて云った、「――現にこうして、ぼくはもろこし餅を食べているだろう」
「あたいは」と云いかけ、慌ててりつ子は云い直した、「――あたしそんな物は絶対に喰べないわ」
「飢え死をしてもかい」
りつ子が「うん」と大きく頷いたとき、頬かぶりをした、肩幅の広い、がっちりした中年の男が近よって来て、そこでなにをしてるだと、棘のある声できいた。隆二が答えると、男は手洟をかんで、そんなところで火を焚いちゃあなんねえ、と訛りの強い言葉で云った。
「ここあおらの小屋だ」男は噛みつきそうな眼つきで、黄色い大きな歯を剥き出しながら喚いた、「この頃は浮浪者どもが藁小屋へもぐり込んで来ちゃあ、断わりなしに火を燃しちゃあ小屋ごと焼いちまうだ、――先月も下の太作の小屋、去年はこの上の杉作んところ、――それで一文も払わねえで逃げちまっただ、いますぐに出てってくれ」
隆二は自分たちはそういう人間ではないこと、決して小屋を焼いたりしないようにすること、また、ほかに寝るようなところのないこと、などを訴えるように云った。