Japanische Klassiker mit Furigana
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おちょうふじん
お蝶夫人
三浦 環
Lesen Sie お蝶夫人 (おちょうふじん) von 三浦 環 (みうらたまき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.730 Zeichen · 242 Bildschirme
ツェッペリンは悠然と向こうへ飛んで行きます。オペラハウスのすぐそばに高射砲の陣地があるので、大砲の音が耳許でいたします。向こうは空襲で大火事が起きています。生まれて始めて見る空襲、恐さも恐かったが、見事なことも見事で、両国の川開きの花火を見物した時より何十倍の綺麗さでした。しかし、ロンドンのように石や煉瓦で出来ている家が、爆弾のためにあのような大火事になるのだから、木で造ったお家ばっかりの日本が、もしも空襲されたら大変で、東京は一晩のうちに焼野原にされてしまうだろうと考えましたら、怖しくて胸がドキドキいたしました。
不幸にも、私のその時の心配が三十年後に本当になって、東京も大阪も名古屋も焼野原になってしまいました。私の麹町の家も去年の五月二十五日に丸焼けになりましたが、私は山中湖畔に疎開していましたので、私の宝物の「お蝶夫人」のお振袖も、楽譜も、みんな無事でした。そして私も、空襲で恐い思いをしたのは二度ですみました。最初がこの「お蝶夫人」の初舞台の日の空襲、最後が去年の七月十二日の空襲の時でした。
この時は日比谷公会堂で「音楽五十年史」の演奏会に出て下さいと頼まれましたが、東京へ行っても麹町のお家はないし、帝国ホテルに泊まるのは恐いのでどうしようかと困っていますと、この演奏会を主催する吉本明光さんが、僕