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Japanische Klassiker mit Furigana

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こころ

こころ

夏目 漱石

Lesen Sie こころ von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.915 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

現に父は養生のお蔭一つで、今日までどうかこうか凌いで来たように客が来ると吹聴していた。その父が、母の書信によると、庭へ出て何かしている機に突然眩暈がして引ッ繰り返った。家内のものは軽症の脳溢血と思い違えて、すぐその手当をした。後で医者からどうもそうではないらしい、やはり持病の結果だろうという判断を得て、始めて卒倒と腎臓病とを結び付けて考えるようになったのである。

冬休みが来るにはまだ少し間があった。私は学期の終りまで待っていても差支えあるまいと思って一日二日そのままにしておいた。するとその一日二日の間に、父の寝ている様子だの、母の心配している顔だのが時々眼に浮かんだ。そのたびに一種の心苦しさを嘗めた私は、とうとう帰る決心をした。国から旅費を送らせる手数と時間を省くため、私は暇乞いかたがた先生の所へ行って、要るだけの金を一時立て替えてもらう事にした。

先生は少し風邪の気味で、座敷へ出るのが臆劫だといって、私をその書斎に通した。書斎の硝子戸から冬に入って稀に見るような懐かしい和らかな日光が机掛けの上に射していた。先生はこの日あたりの好い室の中へ大きな火鉢を置いて、五徳の上に懸けた金盥から立ち上る湯気で、呼吸の苦しくなるのを防いでいた。