Japanische Klassiker mit Furigana
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こころ
こころ
Lesen Sie こころ von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.915 Zeichen · 322 Bildschirme
しかも細君は夫が寝ているとばかり思ってたんだっていうんだから」
今まで楽天的に傾いていた私は急に不安になった。
「私の父もそんなになるでしょうか。ならんともいえないですね」
「医者は何というのです」
「医者は到底治らないというんです。けれども当分のところ心配はあるまいともいうんです」
「それじゃ好いでしょう。医者がそういうなら。私の今話したのは気が付かずにいた人の事で、しかもそれがずいぶん乱暴な軍人なんだから」
私はやや安心した。私の変化を凝と見ていた先生は、それからこう付け足した。
「しかし人間は健康にしろ病気にしろ、どっちにしても脆いものですね。いつどんな事でどんな死にようをしないとも限らないから」
「先生もそんな事を考えてお出ですか」
「いくら丈夫の私でも、満更考えない事もありません」
先生の口元には微笑の影が見えた。
「よくころりと死ぬ人があるじゃありませんか。自然に。それからあっと思う間に死ぬ人もあるでしょう。不自然な暴力で」
「不自然な暴力って何ですか」
「何だかそれは私にも解らないが、自殺する人はみんな不自然な暴力を使うんでしょう」
「すると殺されるのも、やはり不自然な暴力のお蔭ですね」