Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

つゆのあとさき

つゆのあとさき

永井 荷風

Lesen Sie つゆのあとさき von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.725 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

村岡は別れて帰ろうとするのを清岡は無理に引留め、今夜は顔を見知られていない裏通のカッフェーを観察しようと言出して、つづけざまに五、六軒飲みあるいた。どの店へ入っても四、五盃ずつウイスキーばかり飲みつづけるので、いつも強酒の清岡も今夜は足元が大分危くなった。それにもかまわずまたしても通りすがりのカッフェーへ這入ろうとするので、村岡は清岡が羽織の袖を捉えながら、

「先生。もう止しましょう。カッフェーよりか、どこか外の処へつれて行って下さい。僕はもうくたびれてしまいました。」

「一体何時だ。」

「もう十二時です。」

「もうそんな時間か。」

「だから、もうカッフェーはつまりません。」と村岡はとにかく酔って清岡がこの辺を徘徊している事を危険に思い、それよりもどこぞの待合へでも上った方がまだしも安全だと考えて、「先生。もっとゆっくりした処で静に飲み直しましょうよ。」

「うむ。君もなかなか話せるようになった。何処でもいい。好きなところへ連れて行け。」

「じゃ、先生、車に乗りましょう。」と村岡は早速清岡の袖を引張って、土橋へ通ずる西銀座の新道路へ出ようとした。

「待て待て。」と清岡は真暗な建物の壁に向って立小便をしはじめたので、村岡は少し離れて曲角に立留った時、女給らしい女が三人つれ立って、摺れちがいに通りかかったのをふと見ると、その